ヘムファー(Hemfar)による筆写これは、何世紀もの愛の苦痛と最近までの裏切りを正しく伝えるための、自分の心に映る物語の一つである。
私の手がレザー(Lethar)の凍てつく心に触れたとき、最初は暗闇だけしか見えなかった。それから、私の心の眼の最も暗い奥底で、小さな光の輝きが現れた。彼はついに認めなかったが、彼の心の闘争の暗黒の中に真実はあった。それは愛である。
小さき滝…セレイ(Selay the Cascade)はどの面から見ても強大だった。レザーとともにヴィーシャン(Veeshan)の血から生まれ、巣(the Nest)でともに育ち、大人への道を手探りしていった。青き竜…セレイと、黒き竜…レザーは、彼らの間の友情を超えることが禁じられているのを知っていた。そして、彼らが若いときにはそれを深く考えたことはなかった。だが、彼らは年をとり、より近しく育ち、そして自分たちの心のままに行動した。二人には言葉を交わさずとも共有できる繋がりがあった。私の手の中のレザーの心からは、双方の竜が数百年の間、互いに愛の苦痛の中に生きているのを見ることができた。そして、レザーの心の光の中には、ほかのすべての上に小さく輝く一つの記憶がある。
私は、2体の長老の竜たちが、ヴィーシャンの鱗のための聖堂、アシェンゲート寺院(Ashengate Temple)の完成の発表を行った時の偉大な式典で、レザーとセレイが並んで立っているスティルムーン寺院(Stillmoon Temple)の中庭の幻視を見た。2体の長老、リックキン(Rikkukin)とケッスドナ(Kessdona)は、ヴィーシャンの鱗を永遠に守り、保護することに費やす志願者を募るため、ヴィーシャンの子らを求めていた。
長老たちが志願者について話したとき、彼らは馳せ参じるべき志願者の名前のリストを告げた。鱗の守護者(The Scale Guardians)は、鱗を守る魔法を均等で安定に働かせるために、異なった竜の種から選ばれる。レザーは、リックキンに呼ばれるセレイの名前を聞いた。彼の心臓は跳ね上がり、そして彼の偉大な胃袋はよろめいたのだった。